北九州市立河内小学校(八幡東区)で10日、入学式があり、ただ1人の新入生、藤吉花次(はなじ)君(6)を迎えた。
河内貯水池のほとりに立つ緑に囲まれた学校で、校区外からの通学も受け入れている。自宅は区内の市街地にあるが、藤吉君を含め全校児童11人になるアットホームな雰囲気と豊かな自然の中でのびのび育って欲しいと、父の宏二さん(39)と母の訓代(くによ)さん(39)が選び、学校のすぐ目の前に家を借りたという。
入学式では、2年生が藤吉君の手を引いて入場。小田哲也校長が、カエルの人形「けろすけ」を同じ新入生として紹介すると、緊張した様子だった藤吉君はにっこりと笑い、一緒に担任の先生の名前を呼んだ。
けろすけは、小田校長が「1人じゃないんだよ。みんな一緒だよ」と藤吉君が寂しい思いをしないように用意したという。すっかり打ち解けた様子の藤吉君は「楽しかった。学校ではサッカーをして遊びたい」と話した。
この日は北九州市立の全小中学校と特別支援学校で入学式があった。福岡県内では、11日にも福岡市などの公立小学校で入学式がある。(吉田啓)