19日午後0時25分ごろ、東京都豊島区東池袋4丁目の都道で乗用車が歩行者らを次々とはねた。警視庁によると、自転車で横断歩道を渡っていた無職松永真菜さん(31)=同区東池袋2丁目=と長女の莉子ちゃん(3)が全身を強く打ち死亡した。運転していたのは無職飯塚幸三さん(87)=東京都板橋区弥生町=で、「アクセルが戻らなくなった」と話しているという。同庁は運転操作を誤った可能性があるとみて、詳しい事故原因を調べる。
10人はねられ女児ら2人死亡 87歳が運転 池袋事故
交通捜査課によると、ほかの歩行者や乗用車が衝突したごみ収集車の運転手の計6人と、飯塚さん、同乗の80代の妻も負傷した。少なくとも3人が骨折などの重傷を負ったが、命に別条はないという。飯塚さんも入院した。事故の様子が飯塚さんの車のドライブレコーダーに記録されており、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで任意で捜査する。飯塚さんに持病は確認されていない。免許証は2017年に更新していたという。
ドライブレコーダーには、事故直前、車の左側面がガードパイプに接触した後、速度を上げて約70メートル先の交差点に進入して自転車で横断中の70代男性をはね、さらにその先の交差点で松永さん親子をはねる様子が映っていた。左折で進入してきたごみ収集車に衝突し、ごみ収集車は横転。このはずみで、別の歩行者4人もはね、信号待ちをしていた対向車線のトラックにぶつかって止まったという。警視庁は、いずれも赤信号で進入したとみている。
また、最初の接触事故の直前、妻が「危ないよ、どうしたの?」と呼びかけ、飯塚さんが「あー、どうしたんだろう」と応じる声も記録されていた。飯塚さんは事故後、息子に「アクセルが戻らなくなって人をいっぱいひいてしまった」と電話。警視庁の調べに対しても同じ説明をしているという。