巨大IT企業などがインターネットを通じて集める購買履歴などの個人データについて、本人から利用停止を求められた場合に応じる義務が企業に課せられる方向になった。政府の個人情報保護委員会が25日に公表した個人情報保護法改正案の骨子に、「利用停止権」の新設が盛り込まれた。個人情報の乱用への懸念が高まっていることを受けたもので、来年の通常国会への提出をめざす。
米グーグルやアマゾンなど「GAFA(ガーファ)」を含む巨大IT企業は、膨大な個人データを源泉に成長を続けている。しかし、2018年に米フェイスブックの個人データの不正利用問題などが発覚した。同委員会が設ける相談ダイヤルでは、データの「削除・利用停止」に関して18年4~12月に435件の相談があった。
一方、17年に全面施行された同法では現在、個人が企業にデータ利用の停止を求められるのは、名前や住所などの個人情報が不正取得されたり、本来の目的以外に使われたりした場合に限られている。
同法は3年ごとの見直しが求められており、同委員会は利用者の懸念の高まりを受けて、同法改正案の骨子に「利用停止に関して、個人の権利の範囲を広げる方法について検討する」と盛り込んだ。
本人が要求すれば、企業は個人データの利用を停止しなければならないと義務づける方向だ。個人は、自分のネットでの購買履歴などを企業に利用されることを防げるようになる。
骨子には、企業がデータを活用…