イスラム教徒が日の出から日没まで飲食を断つラマダン(断食月)が6日、中東の多くの国で始まった。ラマダンはイスラム暦で神聖な月とされ、多くの人たちが祈りを捧げて、信仰心を確認する。
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでは、ショッピングモールなどにラマダン向けの装飾がなされた。エジプトの首都カイロではランタンが街頭に飾られて雰囲気を盛り上げている。
断食はイスラム教徒に課せられた「五行」の一つで、日中の飲食を断つことで貧しい人たちを思いやる気持ちを持ち、神の恵みに感謝する。日没後には食事や買い物に繰り出す人たちで街はにぎわう。
一方、信仰への思いが高まることを利用し、過激派が支持者にテロを呼びかけることもあるため、各国は警戒を強めている。先月29日には過激派組織「イスラム国」(IS)の最高指導者バグダディ容疑者だとされる動画が約5年ぶりに公開され、スリランカの連続爆破テロ事件を称賛して、「戦闘」を続けるよう促した。日本外務省も海外への渡航者に対して注意を呼びかけている。(ドバイ=高野裕介)