トルコの高等選挙委員会は6日、3月31日投開票の統一地方選で実施された最大都市イスタンブール市の市長選挙の結果を無効にし、6月23日に再選挙を実施することを決めた。同市長選で敗北したエルドアン大統領率いる政権与党「公正発展党」(AKP)側の異議を認めた。
同市長選では国政最大野党「共和人民党」(CHP)のイマモール候補が、AKP候補のユルドゥルム前首相に0・3ポイント差の接戦で勝利した。しかし、AKP側は投開票に不正があったなどとして選挙のやり直しを求めていた。CHP幹部は「市民の意思を否定し、民主主義を軽視するものだ」と反発している。
統一地方選では、物価上昇などの経済悪化が与党側に逆風となり、首都アンカラの市長選でもCHPがAKPに勝利。大都市圏で与党側に厳しい結果となり、2002年から政権を担うAKPの指導力に疑問が投げかけられた形となっていた。(イスタンブール=其山史晃)