被災地で黙々と技を磨き、世界にたどり着いた。6月に開幕するサッカーの女子ワールドカップ(W杯)フランス大会に臨む日本代表23選手が10日に発表され、福島県出身のFW遠藤純選手(日テレ・ベレーザ)が選出された。メンバー最年少の18歳は、2011年3月の東日本大震災による原発事故の影響で、震災から約1年間、屋内での練習を強いられた。その経験を糧にして、初の夢舞台への切符をつかんだ。
なでしこ、熊谷や鮫島ら選出 来月開幕のW杯メンバー
父の淳さん(54)は福島県白河市に拠点に置く「ホワイトリバーFC」の代表。4きょうだいの末っ子の遠藤選手は、幼い頃から姉らと自然にボールを蹴った。震災が、選手としての一つの転機になった。
原発事故による放射能の影響を考慮し、小学生だった遠藤選手が所属する父のチームは1年間、屋外ではなく地域の公民館や体育館で練習した。夏は室内で扇風機を回した。条件が良いとは言えない中で過ごした日々が、結果的にサッカーには生きた。
「相手を抜いたり、抜いてシュ…