大学1年で出場したあこがれの箱根駅伝。だが再び同じ舞台で走ることはかなわなかった。過剰な練習で疲労が回復しない「オーバートレーニング症候群」に苦しんだ一人の学生ランナーが、今春、社会人として新たな環境で走りはじめた。
練習しすぎで記録低迷「病気やったんや」 休養が治療に
オーバートレーニング症候群 パターンは3つ、予防は?
埼玉県の河川敷に4月、トレーニングウェアでジョギングする本多寛幸さん(22)の姿があった。「復帰できるか不安もあるけど、休養を経て、走ることが好きだと改めて思えた」
京都府出身。京都外大西高では主将を務め、全国高校駅伝にも出場した。「箱根路」を走りたいと法政大学に進み、1年生ながら箱根駅伝で復路の9区を走ることが決まった。「夢の舞台で走れる」と喜んだ。
しかし、本番の1週間ほど前、胃腸炎で38度超の熱が出た。当日、熱は下がったが下痢は続いていた。結果は区間最下位。チームも総合成績19位だった。
箱根駅伝の後は体が重く休養したかった。練習メニューを軽めにしたが、2年生になっても状態は上向かない。順調に走れているチームメート。区間最下位に終わった箱根駅伝の悔しさ――。「もう大丈夫です」と監督に言い、無理に練習メニューを元に戻した。
だが、夏合宿でも、1年生の時…