トレーニング機器「シックスパッド」を手がける美容・健康機器のMTG(名古屋市)は、中国の子会社「MTG上海」で不適切な会計処理が行われていた疑いがあると発表した。2019年3月中間決算を発表した後、不適切と疑われる会計処理が見つかったという。弁護士らでつくる第三者委員会を設置し、調査結果報告書を、6月13日に受け取る予定だという。
問題視されたのは、MTG上海が19年1~3月期に中国の取引先2社に美容ローラー「リファ」を売った取引。商品納入後、直ちに売り上げを計上したが、監査法人からは、取引先が顧客に販売した後に計上すべき「消化売り上げ」にあたると指摘されたという。それまでは納品後に代金を一括回収していたが、分割回収に切り替えたことが要因とみている。
取引の規模や契約形態は調査中。MTGは不正取引について否定したが、それらも含め第三者委の調査を待つという。
MTGは、昨年7月に東京証券取引所マザーズに上場。今年1月から中国で電子商取引の規制が強化され、主力のリファの転売目的での購入が減少。10日発表した19年3月中間決算は、売上高が前年同期比13・1%減の246億円、純利益は前年同期の37億円から98・6%減となる5300万円だった。14日に都内で会見した松下剛社長は「下方修正で株主に迷惑をかけている中で、このような事態になり申し訳ない」と述べた。
四半期報告書の提出延期
MTGは15日、不適切と疑われる会計処理が判明した問題の調査のため、関東財務局に2019年1~3月期の四半期報告書の提出期限の延長を申請し、認められたと発表した。当初の提出期限は15日だったが、延長された期限は6月14日。