高級ブランドバッグや時計を、毎月定額制で借りるサービスの人気が高まっている。断捨離やミニマリストといった「持たない」主義や、「所有よりシェア」の意識が広がる一方で、買う前のお試しとしても一役買っているという。
高級腕時計のレンタルサービス「カリトケ」ではロレックスなど40ブランド約300種類を借りられる。月額3980円から1万9800円まで4プランあり、プランごとに借りられるブランドが異なる。こちらも返却期限はない。
東京と大阪には実店舗も構え、常時60本を用意。時計に詳しいスタッフに相談したり、豆知識を教えてもらったりしながら選べる。
2~3カ月に1回交換するユーザーが多く、日々10~20本を出荷しているという。一番ユーザーが多いのは最も高額なエグゼクティブプラン。定価数百万円の腕時計も対象になる。20~30代が中心で、不動産業界や金融業界の営業職のほか、公務員も多いという。
会社員でベンチャー企業も運営する神崎洸平さん(28)は定価約百万円のゼニスをレンタル中。「仕事上、第一印象を大事にしたくて。よく声をかけられて話題になります」。300万円前後の時計を買おうとした矢先にサービスを知り、購入計画は先延ばしに。「良い時計をつけると気持ちがいいが、飽きたり心変わりしたりするのではという不安も残る。本当に欲しいものを買うために、今は色々試したい」
男性にはロレックスやウブロが人気で、東京・有楽町マルイに店舗をオープンする際にウブロを貸し出す公表をすると開店前から店頭に長い列ができた。女性にはシャネルやカルティエが人気だが、大きな文字盤や格好よさを求めて男性用の時計を借りる女性も増えているという。
運営するクローバーラボの小川紀暁常務取締役は「高級品は何を買おうかと考えている時が一番楽しい。試したいという購入前のステップとして受け入れられた」と話す。
■「買うと借りるは…