日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(65)をめぐる特別背任事件で、リーマン・ショックで巨額の私的損失を抱えた前会長が、新生銀行から求められた担保は50億円にのぼり、これに対応するために、サウジアラビアの友人が保証した30億円の信用状とともにオマーンの友人から借りた約19億円を差し入れていたことが、東京地検特捜部の調べでわかった。地検は、これを発端として、前会長が自らの権限で使える予算を創設し、友人側への不正支出を始めたと公判で立証する方針だ。
【特集】ゴーン 日本最大の司法取引
ゴーン前会長の巨額損失付け替え、伏せられたまま承認
前会長は①サウジルート②オマーンルートの二つの特別背任罪に問われている。今回判明した①の立証予定の内容で、サウジルートにもオマーンの友人が関わっていたことがわかった。
それによると、前会長は新生銀…