川崎市多摩区の路上で児童らが殺傷された事件で、襲撃したとされる岩崎隆一容疑者(51)=直後に自殺=が今年2月、東京都町田市の量販店で刃物2本を買っていたとみられることが捜査関係者への取材でわかった。神奈川県警は、岩崎容疑者が長期にわたって計画していた可能性があるとみている。
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捜査関係者によると、岩崎容疑者宅から押収した刃物の箱は、自宅から直線で約11キロ離れた量販店で2月に売れた2本の刃物の記録と一致。事件現場に持ち込んだ2本も同じ型だという。
箱には店のシールが貼ってあり、対応した店員が記憶している人物の特徴は岩崎容疑者と矛盾がないという。県警は岩崎容疑者がこの店で刃物を購入した可能性が高いとみている。
朝日新聞記者は30日、岩崎容疑者が2本の刃物を買ったとみられる東京都町田市の量販店を訪れた。駅前にある店内には出刃包丁や刺し身包丁など約50種類の刃物が並んでいた。値段は千~2万円ほどと様々。刃渡りや値段によって、鍵付きのショーケースの中に入っていて、店員を呼び出さないと購入できなくなっていた。
岩崎容疑者は28日朝、2本の刃物を両手に持ち、川崎市多摩区の路上で児童や保護者を次々と刺したとされ、2人が死亡。現場近くに残された岩崎容疑者のリュックサックからは、別の刃物2本が見つかっている。県警はこれまで負傷者を17人と発表していたが、けがをしていた児童が新たに1人判明し、計18人だったと31日、発表した。