川崎市の路上で児童らが殺傷された事件で、直後に自殺した岩崎隆一容疑者(51)が、長期間就労せずひきこもり傾向にあったことが関連して報じられていることについて、「ひきこもる人への偏見を助長しかねない」と懸念する声が当事者からあがっている。ひきこもり経験者や家族会が1日までに相次いで見解、声明を公表した。
死傷事件容疑者、近隣トラブルも 川崎市内に住む51歳
「ひきこもりは危険という偏見をこれ以上かぶせられるのはたまらない。なんとかしないといけない」
東京都内で1日に開かれた「ひきこもり親子・公開対論」。中高年ひきこもりの当事者や家族らが集う「ひ老会」の主宰者、ぼそっと池井多さん(57)は事件を報じるメディアの影響に言及し、当事者として危機感を表明した。
自ら長期のひきこもり経験がある。「私だってむしゃくしゃしてブラックな気分になることはある。でも、それは私が50代でひきこもりだから、なのか。そうは思わない。丸の内のエリートサラリーマンだって、人が追い込まれたら同じ気分になるだろう。それに夢想するのと実際に凶行を起こすのでは千里の開きがある」「『8050問題』の当事者が参加するひ老会で、今回の容疑者のような人に会ったことは一度もない」
事件翌日の5月29日、川崎市…