横浜市南部を走る新交通システム「シーサイドライン」が4日午前11時、運転を再開した。同市磯子区の新杉田駅で1日夜、乗客14人が重軽傷を負う逆走事故を起こし、全線運休が続いていた。事故前は無人の自動運転だったが、当面は運転士が乗り込んで、有人での手動運転を続ける。
4日午前に記者会見を開いた運営会社の横浜シーサイドラインによると、新杉田駅から金沢八景駅(横浜市金沢区)までの全区間で、約10分間隔で運転する。運転士の数に限りがあり、通常の65%程度の本数になる見込みという。代行バスによる輸送は、4日は午後7時まで継続。5日も朝に実施する。
4日朝までに、事故車両以外の15編成すべてについて、手動運転で走行可能か確認を済ませ、国土交通省と協議のうえ、安全を確保できると判断したという。ただ、事故原因はまだ解明されておらず、同社の三上章彦社長は会見で「利用者は不安を持っている方も多い。安全に留意しながら運転する」と話した。
シーサイドライン沿線の横浜市立大付属病院に通う同市磯子区の男性(81)は新杉田駅で運転再開を知り、「よかった。これで病院に行ける。ただ、有人運転といっても、逆走したときに止められるのか不安はある」と語った。(土屋香乃子、吉野慶祐)