川崎市多摩区の路上でスクールバスを待つ私立カリタス小学校の児童らが刃物で切りつけられ、20人が殺傷された事件は4日、発生から1週間を迎えた。事件現場ではいまも、献花に訪れる人や手を合わせる人が後を絶たない。周辺では警察官や市関係者によるパトロールは続いているものの、日常の落ち着きを取り戻しつつある。
4日朝、事件の発生時刻に合わせ献花に来たという東京都世田谷区の大学生戸田高志さん(23)は同小の卒業生で、小学生の時はスクールバスに毎日乗っていた。「先生もショックを受けていると思う。乗り越えてほしい」。同窓生の間では、献花を整理したり、学校にメッセージを送る呼びかけをしたりする動きが広がっているという。
事件で犠牲になった外務省職員の小山智史さん(39)と、ミャンマーを通じて知り合い、3日の通夜にも参列したという神戸大学名誉教授の大津定美さん(81)は、「なんでこんなことになったのか。本当に悔しい」と声を震わせた。小山さんと最後に会ったのは2016年秋。アウンサンスーチー国家顧問が来日した際に小山さんが通訳を務めたという。
栃木県から来たという女性は、「小さなおいっ子がいる。事件を忘れないようにと、亡くなった2人のご冥福を祈った」と話した。
親族がカリタス小出身という女性は「1週間経って、さらに無念が募る」と声を詰まらせた。(林知聡)