1日午後8時15分ごろ、横浜市南部を走る無人運転の新交通システム「シーサイドライン」新杉田駅(同市磯子区)で、列車が進行方向とは逆に走り出して、車止めに衝突した。神奈川県警によると、14人がけがをし、そのうち6人が骨折などの重傷。命に別条はないという。
運営会社の横浜シーサイドラインによると、列車は新杉田発並木中央行きで、5両編成。乗客は50人以上いたとみられ、始発駅の新杉田駅でドアが閉まった後に逆走した。県警によると、本来の停車位置から約25メートル逆走したという。
同社は2日未明に記者会見し、「事故原因は調査中」と説明した。運転再開の見通しも立っていないという。国土交通省は同社に対し、安全が確認できるまで運行を再開しないよう指示した。
路線データ記憶し自動運転 逆走したシーサイドライン
金沢八景の新駅、3月に開業したばかり シーサイドライン
シーサイドラインは1989年に開業。新杉田―金沢八景(横浜市金沢区)の約11キロを結ぶ新交通システムで、運転士が乗車していない完全自動運転が特徴だ。同社ウェブサイトによると、あらかじめ登録されたダイヤ情報をもとに、司令所にある運行管理装置で進路設定や発車時刻などを制御。運行管理装置からの情報をもとに、自動運転装置でプログラムに沿った無人運転をしているという。
事故を受けて、国の運輸安全委員会は1日夜、鉄道事故調査官を現地に派遣した。