「#KuToo」を合言葉に、職場で女性がハイヒールやパンプスを履くよう強いられることに異議を唱える動きが広がっている。11日には、対策を求めるネット署名を厚労省に提出した俳優の石川優実さん(32)らが国会内で集会を開催。石川さんは「マナーとして受け止められている身近なことにも、性差別がある。女性だけが足を痛めながら働かなければいけないのはおかしい」と訴えた。
労働政策研究・研修機構の内藤忍・副主任研究員は「パンプスやヒールの着用が健康上や事故のリスクを高めることは、科学的に実証されている」と指摘。「フラットな男性靴より不利益性の高い靴を女性にのみ義務づけたり、着用を強いるような発言をしたりすることは、性差別やハラスメントになりうる。業務上の理由なく、着用を義務づけることは、自己決定権の侵害でもある」と語った。
ネットメディア「ビジネス・インサイダー」が約200人から回答を得たアンケートでは、職場や就活などでハイヒール・パンプスを強制された、もしくは強制されているのを見たことが「ある」という人は6割を超え、「就業規則などに明記されていた」「上司などから口頭で指示を受けた」という人も4割近くを占めたという。
集会の参加者からは「健康や安全を脅かすものを『慣習』として強制されるのはおかしい」「就活用のスーツ売り場にはパンプスが『セット』で売られていて、就活講座でパンプスを履くよう指導されることもある。事実上、選択肢がない」「『社会通念』を前提としている限り、社会は変わらない。おかしな社会通念は変えていかなければならない」などの声があがった。
一方、厚労省の担当者は、今月…