「食費は節約できても、授業料はまけてもらえない。今がふんばり時だけど……」。東京都西東京市の女性(46)は、家計簿をつけながら、やりくりを考え直す必要を感じている。
会社員の夫(56)、大学生の長女(19)、高校生の次女(17)、実母(81)との5人家族。毎年、年の初めに費目ごとの予算を立てる。その月の支出が予算を超えると、パソコンの画面表示が文字通り赤字になる。長女が大学に入った今年4月は、教育費が大幅に予算をオーバーした。
安倍政権の経済政策「アベノミクス」が始まった直後の6年前の2013年4月と見比べると、夫の月給は、4万1238円上がった。しかし、税金と社会保険料の合計も3万899円増。電話代は2万4347円増えた。この間に携帯電話をスマートフォンにしたことが大きい。電気代は1430円増だ。
外食はしないようになり、パンは買わずにカードのポイントをためて手に入れたホームベーカリーで焼く。食費が予算を超えそうな時は買い物に行かず、乾物など家にあるものを使って乗り切る。家族のライフスタイルの変化もあり、食費は1万5千円ほど減ったが、なお節約の工夫を重ねる。
今年4月の教育費は53万4534円。次女の高校の授業料に加え、長女が大学で必要なパソコンを買ったのが予定外の出費だった。今年はあと、大学の後期授業料と次女の3回分の授業料が引き落とされる。学資保険で備えてきたが、しばらくは預貯金を取り崩す生活が続きそうだ。
夫の給料はこれから下がる時期に入り、自分も週3日パートで働き始めた。ただ、介護認定を受けている母親がデイサービスに行く日に限られるため、介護サービスの縮小が進めば働き続けられないかもしれないのも不安だ。「金利が低いままで預金も増えず、企業ばかりがもうけて消費者は損をしている気がします」
給料が増えた分の多くが税金と…