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一部損壊を中心に住宅被害が6万5千件を超えた大阪北部地震の被災地では、1年を経てもなお、屋根をブルーシートで覆った住宅が目立つ。修理を請け負う業者が減って受注が追いつかないほか、資金面の不安から修理をためらう高齢者もいる。 震源に近い大阪府高槻市唐崎地区は、約600世帯が暮らす。古くからの住宅地で、約470人が70歳以上だ。自治会長の籠野寛さん(68)によると、ブルーシートを張った家が一時約130軒あり、いまも70軒以上残る。 女性(71)は、木造2階建てに大学生の孫と2人で暮らす。亡き夫の遺族年金が頼りで、屋根にシートを張ってしのいできた。しかし今年に入り、「また台風が来たら……」と焦った。 4月、修理を勧めるチラシが入っていた。電話すると、大工を名乗る男性が「材料費」として10万円の先払いを求めてきた。不審に思いながらも払った。 男性は5回ほど訪れたが、修理は進まなかった。女性が解約を申し入れると30万円を請求された。もめた末、10万円を払った。 5月、近所で修理の実績がある工務店に電話した。「職人が手配できず、対応できるのは来年1月以降」と言われた。信頼できる知人の紹介で別の職人を探し、今月上旬にようやく修理できた。 家族と暮らす別の女性(64)は、木造平屋が一部損壊の判定を受けた。壁も壊れた。修理代は想像以上に高く、「1千万円の見積もりを出してきた業者もいた」と驚く。高槻市は一部損壊の修理に最大5万円を補助しているが、女性は「全く足りない」と悩む。 ■職人不足、台風… |
滞る修理、屋根に残る青い「SOS」 大阪北部地震1年
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