山形県沖を震源とし、新潟県村上市で最大震度6強を観測した18日夜の地震で、山形、新潟、宮城、石川の4県で計26人のけが人が出た。総務省消防庁が発表した(19日午前9時45分現在)。死者は確認されていない。沿岸部で津波注意報が出されたが19日未明に解除された。気象庁は、今後1週間ほどは最大震度6強程度の地震が起きる可能性があるとして、地震や降雨に注意し、危険な場所には立ち入らないよう呼びかけている。
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新潟・村上で震度6強、津波注意報 けが人複数を確認
消防庁や各県によると、新潟県で燕市の男性(37)が自宅の階段で転倒して足を骨折するなど、4人がけが。山形県では鶴岡市の女性(68)が避難しようとして自宅内で転倒するなど、17人が負傷した。
山形県内では鶴岡市にある市立大泉小で相撲場の屋根が崩れたほか、ブロック塀の倒壊や道路の陥没も確認されている。鶴岡市内では液状化とみられる現象も発生した。
津波注意報を受け、沿岸部で避難指示や避難勧告が出され、新潟県で少なくとも約2900人、山形県で約3200人が一時避難した。19日午前9時45分時点の避難者数は両県で計44人。文部科学省によると、鶴岡市で市立の全小中学校と高校1校、酒田市の市立小学校2校、村上市の全市立小中学校が臨時休校した。
JR東日本によると、東北、山形、秋田、上越、北陸の各新幹線は19日の始発から通常通り運行し、羽越線村上―酒田間と陸羽西線古口―余目間は始発から運転を見合わせている。
東北電力によると、地震で山形、新潟両県で延べ9232戸が停電したが、19日午前6時44分までにすべて復旧した。
気象庁によると、震度6強以上を観測したのは昨年9月、北海道厚真町で震度7を観測して以来。今回の地震の後、山形県沖などで震度1~4の地震を19回観測した(19日午前10時半現在)。同庁は、新潟と山形両県で19日夜にかけ、雨や雷雨になる地域があるとして、揺れが大きかった地域の大雨警報と注意報、土砂災害警戒情報の発表基準を通常の7~8割に引き下げた。19日午前10時には村上市に土砂災害が発生する危険性が高まったとして大雨警報を出した。警戒レベル3にあたり、子どもや高齢者は避難する段階とされる。