元農林水産事務次官の熊沢英昭容疑者(76)が21日、長男の無職英一郎さん(当時44)を東京都練馬区の自宅で殺害したとして殺人罪で起訴された。熊沢容疑者の警視庁への説明では、英一郎さんが家庭内で暴力を振るうようになったのは約30年前。この頃、通っていた中学でいじめを受けていたという。同級生だった男性(44)が取材に応じ、「はけ口として暴力に走ってしまったのかも」と話した。
有数の進学校として知られる都内の中高一貫校。男性は英一郎さんと席が隣同士で、「よく冗談を言って笑い合っていた。仲がよかった」と振り返る。成績も問題なかったという。
「こだわりが強く、コミュニケーションが苦手で、意見されるのを嫌った」。一人で席に座り、手をじっと見つめながらつねる姿をよく見かけたという。「『変なやつ』といわれて孤立していた」
週に一度は上履きで頭をたたかれたり、いきなり背後から蹴られたりしていたという。壊されてフレームだけになった眼鏡を持ち、立ち尽くしていたことも。相手がいなくなってから「ぶっ殺してやる」と吐き捨てるようにつぶやいていたという。
高校を卒業後、大学や専門学校…