不妊治療の成功率を高めるために体外受精した受精卵の全染色体を調べる「着床前診断」の臨床研究について、日本産科婦人科学会(日産婦)は22日、今秋をめどに規模を拡大する方針を公表した。2年間実施し、どういう症例に効果的か明らかにするという。
受精卵は、染色体に過不足などがあると、流産しやすいとされる。着床前診断は、受精卵の一部の細胞を取りだし、すべての染色体を調べてから適切なものを子宮に移植する。
日産婦は2016年に研究計画を承認。四つの医療機関と三つの解析施設で実施してきた予備研究が終わったことから、規模を拡大する方針を決めた。
対象は流産を繰り返す女性や複数回体外受精をしても妊娠しなかった女性など。予備研究では35~42歳に対象をしぼっていたが、年齢制限は設けない。21年3月末までに、各症例千人規模で診断を実施するという。
現在、参加の要件を満たす見込…