国内にある在留カードの「偽造工場」が相次いで摘発された事件で、愛知県警は2日、在留カードを偽造していたグループの「金庫番」とみられる中国籍の黄強強容疑者ら男3人を犯罪収益移転防止法違反の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。
県警は昨夏以降、愛知、大阪、埼玉の3府県で、在留カードの偽造工場を摘発。各工場からは、偽造された運転免許証や学生証なども押収し、捜査を進めていた。
捜査関係者によると、黄容疑者らは昨年以降、それぞれ海外へ送金する目的で、他人名義の口座を不正に入手したり、譲り渡したりした疑いがある。黄容疑者は不正に入手した口座を通じて、グループが国内の客に前払いさせた偽造在留カードの代金を中国にいる仲間に送金していたとみられる。
県警はこれまで、カードの偽造役や顧客との仲介役だったとして、複数の中国人やベトナム人を逮捕。いずれも黄容疑者と同じグループで、3工場で7千枚を超える偽造在留カードを作っていたとみられる。顧客は主にベトナム人で、1枚あたり1万5千~2万円程度で売っていたという。