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閣僚の窮する姿を見せまいと 国会の花形、予算委の危機

予算委員会はテレビ中継も多い「国会論戦の花形」だ。疑惑が浮上したときは政治責任追及の場ともなってきた。6月26日、安倍晋三首相は「私はこの通常国会、予算委に126時間出席しました」と会見で語った。


だが、今年の通常国会での予算委の開催は衆参で計32日。4月以降は会期末の形式的な閉会手続きまで一切開かれず、2012年の第2次安倍政権発足後最少だった。


「予算委の開催は困難と言わざるを得ない」。6月14日、参院予算委の理事懇談会で自民党の金子原二郎委員長が重い口を開いた。


「規則に反している」と立憲民主党の蓮舫氏が食い下がったが、金子氏は「開催したら混乱を招く」。結論は変わらなかった。蓮舫氏は「自民の審議拒否だ。そこまでして首相を守りたいのか」と記者団にぶちまけるしかなかった。野党はその後、金子委員長の解任決議案を出したが、本会議で否決された。


野党が参院規則に基づき予算委開会を求めたのは4月。規則は委員の3分の1以上の開会要求があった場合、「委員長は委員会を開かなければならない」と定める。


自民は「質疑は各常任委でやるべきだ」と主張したが、参院選を前に波風を立てたくないというのが本音だった。参院自民幹部は「閣僚が答弁に窮して審議が止まる姿がテレビに撮られれば、参院選への影響は甚大だ」と明かす。


実は自民の主張にも根拠はある。国会法49条は「委員の半数以上の出席がなければ議事を開くことができない」と定める。参院予算委の委員45人中、与党は27人(委員長除く)。過半数を占める与党が出席しない以上、野党がどうあがいても開けないわけだ。


予算委を仕切る理事は9人。野党は3人でそれぞれ別会派だ。蓮舫氏は野党筆頭の立場だが、同じ会派の理事がおらず「発言力」の確保に苦しんだ。「もし立憲の理事が2人いたら発言の重みが出て、絶対に状況は違った。野党は常に少数だが、今のような状況は本当にきつい」と振り返る。


疑惑の核心に迫れず


国会の立法機能と並ぶ重要な役割が、行政の中立性や公正性をチェックする「行政監視機能」だ。


首相や閣僚に幅広く質問できる…


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