陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の陸上自衛隊むつみ演習場(山口県萩市)への配備計画をめぐり、岩屋毅防衛相は3日午前、山口県庁を訪れ、村岡嗣政知事らと会談した。岩屋氏は配備に関する調査報告書で誤りが相次いだ問題について「心からおわびする」と謝罪した。
防衛省はむつみ演習場と陸自新屋演習場(秋田市)の2カ所に配備することを目指している。新屋演習場の調査報告書ではデータの誤りが相次いだ。山口県でも関係者の不信感を招いた上、むつみ演習場の報告書で、近くの高台の標高が国土地理院のデータと異なっていたことも発覚した。
村岡氏は「正確なデータで丁寧な説明をしてほしい」と求めた。同席した藤道健二・萩市長は「懸念が解消され、理解が進んだ状況にない」と指摘。演習場に隣接する阿武町の花田憲彦町長は、住民の不安が強いことを説明し、配備の断念を求めた。
岩屋氏は村岡氏らに対し、一連の問題を謝罪し、むつみ演習場に近い高台については実測調査する考えを伝えた。防衛省に「整備推進本部」を設け、態勢の立て直しを図っていることも説明し、理解を求めた。(山下龍一)