宝塚歌劇団・花組トップスター明日海(あすみ)りおの退団公演の制作発表会が4日、東京都内で開かれた。ミュージカル「A Fairy Tale―青い薔薇(ばら)の精―」で、薔薇の精霊「エリュ」を演じる明日海。トップ娘役の華優希(はなゆうき)と男役スターの柚香光(ゆずかれい)とともに劇中歌を披露し、「ようこそ、私の花園へ」と耽美的(たんびてき)な世界にいざなった。
特集:明日海りお退団
植田景子が作・演出を手がけるオリジナル・ミュージカル。自然界のおきてに背いた罪で、闇と孤独の中に閉じ込められた「青い薔薇の精」を主人公に、現実と異次元の世界を交差させる幻想的な作品になるという。
明日海は「薔薇の精」という役柄を初めて聞いたとき、衝撃を受けたという。「『妖精さん?』という感じで、羽とかもつけるのかなとドキドキしました。私にしかできないもの、心に残るお芝居を大切にやっていきたいなと思います」
また、11月の退団を控えて「大好きな宝塚、大好きな男役でなくなるんだなという、寂しさやしんみりした気持ちに流されてしまいそうになる」と胸の内を話した。「色んな気持ちが渦巻くと思いますが、よりよい舞台ができるよう、組の全員が元気に初日を迎えられるよう、お稽古したいと思います」
演出家の植田は「花組の一人一人の力や魅力をぞんぶんに発揮できる作品を目指しています。明日海りおのサヨナラということで、一瞬一瞬、特にラストシーンが皆様の一生の宝物として残るようにと思っています」。相手役の華は「明日海さんと心をしっかりと通わせながら、丁寧に演じたい」と意気込みを語った。
併演は、ショー「シャルム!」…