ハンセン病家族訴訟の原告や支援者らが10日夕、東京・永田町の首相官邸前に集まり、安倍晋三首相に面会を求めて声をあげ、歌を歌った。原告らは、国の責任を認めた熊本地裁判決への控訴見送りを首相が表明したことを評価したうえで「原告と面談して被害の訴えを直接聞き、政府を代表して謝罪してほしい」と求めている。
ハンセン病の元患者による訴訟で熊本地裁が2001年に国の責任を認める判決を出した際は、当時の小泉純一郎首相や坂口力厚生労働相が原告らと面会した後、控訴断念を表明。福田康夫官房長官が記者会見でおわびを表明し、政府としておわびする首相談話が閣議決定された。今回、原告らは安倍首相や根本匠厚労相との面会を求めているが、実現していない。(編集委員・北野隆一)