東京電力は1日、事故を起こした福島第一原発の1号機と2号機の排気筒の「最上部」を切断して、吊り降ろす作業を終えたと発表しました。
排気筒は8年前の1号機の爆発で損傷している上、原子炉の圧力を下げるために行った「ベント」と呼ばれる排気作業で高い濃度で汚染されたままになっています。
高さがおよそ120メートル。倒壊の危険も指摘されているため解体作業は5月に始める予定でしたが、クレーンに取り付けた解体装置が排気筒のてっぺんまで届かないことが分かり、延期されました。
8月1日から遠隔操作で作業に着手しましたが、作業員の熱中症や切断装置に不具合が相次ぎ、作業がたびたび中断。1日午後、予定よりおよそ1か月遅れで最上部の先端部分を輪切りにし、地面まで吊り降ろすことに成功しました。
排気筒は上半分を解体する予定で、今年度内の終了を目指すということです。