同済大学教授で世界交通運輸研究学会の常務理事を務める潘海嘯氏は、「特定の環境の中での自動運転はすでに応用されており、たとえば特殊工程をこなす車両があり、危険な環境の中での自動運転が可能だ。港湾のふ頭では、自動運転による貨物輸送が可能で、上海市の洋山深水港ですでに試行されているが、まだ普及の段階ではない」と述べた。
言及すべきなのは、少し想像を膨らませてみると、自動運転車も本当に応用が可能になるということだ。たとえば長距離トラックの運転手という仕事は、退屈で時間が長く疲労度も高く、欧米ではよく運転手が集団でストライキを起こし、要求が通らなければお金を払うと言われても仕事をしない。企業の物流コストは高止まりし、長期的な矛盾点が目立つようになった。最近、欧州自動車工業界(ACEA)、国際運輸労連(ITF)、国際道路輸送連盟(IRU)が共同で報告書を作成し、長距離輸送を自動運転トラックにモデル転換するよう呼びかけた。
同報告書が提示するモデルは次のようなものだ。主要な高速道路に、専用の自動運転用車線を設け、自動運転トラックが走行するようにする。こうすれば路上の障害物という問題がなくなり、現在の技術で安全が保証される。高速道路の両端に輸送中継センターを設置し、トラックが高速道路を下りた後は、運転手が乗り込んで短距離の複雑な行程を走って配送を完了させる。
潘氏は、「現在、同報告書の呼びかけは各方面に広く歓迎されており、欧州では推進への原動力が大きい。こうしてみると、現在の技術を活用し、『特殊なシーン』にぴったり合致するよう調整して、問題点を解決した無人経済であれば、大いに可能性があるといえる」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年3月25日