国家発展改革委員会と商務部(省)は6月24日、「外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)(2020年版)」と「自由貿易試験区外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)(2020年版)」を公布した。この2つのネガティブリストを2019年版ネガティブリストと比較すると、外国からの投資を制限・禁止する条項が7つ減少した。関係者は、「4年連続で外商投資参入ネガティブリストが減少したことから、経済グローバル化を揺るぎなく支援する中国の決意がうかがえる。将来を展望すると、外資参入ネガティブリストが引き続き減少し、外資系企業の対中投資の道がさらに広がることが期待される」と述べた。人民日報海外版が伝えた。
具体的にみると、今回公布されたネガティブリストには主に3つの変化がみられる。
(1) サービス産業の重点分野の開放プロセスを加速。金融分野では、証券会社、証券投資基金管理会社、商品先物取引会社、生命保険会社における外資系企業の持ち株比率の制限を撤廃した。インフラ分野では、人口50万人以上の都市で上下水道管路を建設・運営する企業は中国側が株式を保有していなければならないとの規定を撤廃した。交通輸送分野では、外資系企業による航空交通管制業務への投資を禁止するとの規定を撤廃したと同時に、民間空港に関する条項を調整した。
山東省栄成市は外資系企業の生産再開を推進している。写真は同市の韓国資本企業の作業員が生産現場で働く様子。(撮影・王福東。写真提供は人民視覚)
(2)製造業と農業への参入要件を緩和。製造業分野では、商用車の製造における外資系企業の持ち株比率の制限を緩和し、外資系企業による放射性鉱物の採掘、製錬、加工および原子力燃料の生産を禁止する規定を撤廃した。農業分野では、小麦の新品種の選択、栽培と種子の生産では中国側の持ち株比率を34%以上とするとの規定に改めた。
(3)引き続き自由貿易試験区にて開放のテスト事業を展開。全国の開放措置を基礎として、自由貿易試験区にて引き続き先行テスト事業を展開する。医薬品分野では、外資系企業による中医薬への投資を禁止するとの規定を撤廃した。教育分野では、外資系企業が独自資本で職業教育機関を設立することを認可した。
対外経済貿易大学国際経済貿易学院の崔凡教授は、「新型コロナウイルス感染症が発生して以来、世界の多くの国で投資の自由化レベルが後退し、このため2020版外資参入ネガティブリストの公布は例年とは異なる意義をもつことになった。ネガティブリストの対象の持続的な減少は、中国が投資自由化レベルの向上を推進するための重要な方法だといえる」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年6月26日