中国人民銀行(中央銀行)がこのほど発表したデータによると、今年第2四半期(4-6月)には現金以外での決済業務量が回復的に増加し、決済システムの業務量が増加を続けたという。「経済日報」が伝えた。
データによれば、同期に全国の銀行が処理した非現金決済業務は837億2千万件で前年同期比6.18%増加し、金額は1017兆2200億元(1元は約15.5円)で同6.83%増加した。
大手インターネット調査会社の易観の王蓬博・決済産業アナリストは、「決済データの改善は、経済が回復していることを意味する。決済は経済・流通の『毛細血管』であり、全体をみると、第2四半期の決済データは好転し、従来型の銀行カードの発行数も、口座数も、ネット接続機器の数も、銀行以外での決済取引の規模も、そろって増加・拡大した」と述べた。
注目されるのは、第2四半期の銀行カードによる取引件数が回復的に増加し、全国で814億5700万件に上って同6.20%増加し、金額は219兆800億元で同0.91%増加したことだ。また第1四半期(1-3月)には、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、こうしたデータは減少した。1-3月期の全国の銀行カードによる取引件数は610億8500万件で同5.35%減少し、金額は198兆4600億元で同10.51%減少した。
8月20日に行われたオンライン記者会見で、商務部(省)の高峰報道官は、「中国の消費市場は持続的に回復し好転している。7月の社会消費財小売総額は同1.1%減少し、減少幅は前月より0.7ポイント縮小した」と述べた。
感染症の影響で、上半期には消費者の決済行為にも新たな特徴がみられ、非接触型決済のニーズが増大し、ネット接続機器の数も増加した。第2四半期には、全国で人口1万人あたりのネット接続機器数は237.94台に上り、前期比5.40%増加した。これについて専門家は、「ネット接続機器数の増加は2つの要因に基づくものだ。1つは決済機関の支援を受けて、各企業が、とりわけ小規模・零細企業がネット接続機器の受け入れにより積極的になったこと。もう1つは感染症がオンライン消費を喚起し、最近のオフラインビジネス活動の加速的回復に伴って、利用者もこうした機器を通じた決済により傾いていることだ」と述べた。
これと同時に、現金を引き出すATMなどの設備は減少を続けている。第2四半期には、全国のATMは105万2100台に上り、前期比末3万900台減少した。人々の決済習慣が変化するにつれて、ATMの数が減っていった。専門家は、「紙幣の使用率が低下するのに従って、ATM機器が減るのは必然的な流れだ」との見方を示した。
これと同時に、第2四半期のモバイル決済業務量は増加率が回復上昇した。同期に銀行以外の決済機関が処理したネット決済業務は2035億800万件に上り、同14.48%増加し、金額は70兆2200億元で同18.37%増加した。王氏は、「取引の全体的規模をみると、この前年同期比増加率はやや低いが、すでに例年の水準を基本的に維持している。決済件数をみると、増加率はまだ昨年の水準には及ばない。上半期をみると、モバイル決済の増加率は引き続き例年より低く、そこには感染症の影響もあるが、今ではモバイル決済全体をみると取引規模はすでに拡大し、基数も大きく、そのため増加幅がそれほど目立たないということをみなければならない」と述べた。
高氏は第2四半期の消費回復を基礎として、「全体としてみれば、中国消費市場は強靱性が強く、ポテンシャルが高く、消費の持続的な回復成長の基礎はしっかりしている」と述べた。
専門家は、「下半期は経済が加速的に回復するのにともなって、消費がさらに回復上昇し、決済データも正常な成長軌道に戻っていくだろう」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年8月29日