国家統計局、科学技術部(省)、財政部(省)が27日に共同で発表した「2019年全国科学技術経費投入統計公報」によると、2019年、全国の研究開発( R&D)経費は前年比12.5%増加して、2465億7000万元増(1元は約15.5円)の2兆2143億6000万元となった。R&D経費投入強度(R&D経費の対GDP比)は2.23%だった。科技日報が伝えた。
中国科学技術発展戦略研究院の劉輝鋒研究員は取材に「中国19年のR&D経費には3つの進展があった。1つ目は2兆元の突破で、伸び率が12.5%と4年連続で2桁台を維持した。R&D経費投入強度は前年比0.09ポイント増加し、2012年以降最大の伸び率となった。そしてこの数値は過去最高で、2018年のEU15カ国の平均水準を上回った」と話した。
同公報によると、中国19年の基礎研究経費は前年比22.5%増の1335億6000万元で、R&D経費の6.03%を占めた。大学の基礎研究経費は前年比22.4%増の722億2000万元、政府所属研究機関は20.6%増の510億3000万元、企業は51.6%増の50億8000万元。うち大学の全社会の基礎研究経費の増加に対する寄与度は前年比2.9ポイント増の54.0%、政府所属研究機関は1.9ポイント増の35.6%だった。
劉氏は「基礎研究経費がR&D経費に占める割合が初めて6%を突破したのが2つ目の進展だ。基礎研究経費は前年比22.5%増で、2012年以降最大の伸び率だった。2012年以降、基礎研究経費が占める割合は安定して上昇し、2015年に5%を突破し、2019年に6%を突破した」と述べた。
劉氏は「これは国の基礎研究に対するかつてない重視と支持によるものだ。国務院が2018年に『基礎科学研究の全面的な強化に関する若干の意見』を通達した後、科学技術部は先頭に立ち複数の基礎研究強化政策を発表した。その中で特に、基礎研究経費を増やし、基礎研究投入ルートを拡張・整備すると特に強調した」と説明した。
中国のR&D経費投入の3つ目の進展は、国家財政科学技術支出が1兆元を突破し、1兆717億4000万元にのぼったことだ。うち中央財政科学技術支出は11.6%増の4173億2000万元で、2012年以降最大の伸び率となり、財政科学技術支出の38.9%を占めた。
劉氏は「3つの進展は、中国のR&D経費投入が革新駆動型発展戦略の実施に力強い支持と保障を提供しており、革新型国家建設が歴史の新たな段階を迎えたことを示している。中国共産党第19回全国代表大会(十九大)以降、科学技術部は革新と起業を奨励・支持する一連の政策措置を集中的に打ち出した。これらの政策が相次いで実施され、革新チェーンの投入側から実質的に研究開発と革新活動への支持を拡大した」と分析した。
同公報によると、19年の企業R&D経費は前年比11.1%増の1兆6921億8000万元にのぼり、全国R&D経費の76.4%を占めた。その増加への寄与度は68.5%。国家統計局社科文司の首席統計学者の鄧永旭氏は、「企業のR&D経費投入強度の着実な向上は、質の高い発展を推進するため確かな基礎を築いた」との見方を示した。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年8月28日