「熱狂的な科学愛好者」のイーロン・マスク氏はこのほど1年ぶりに、自身が設立した脳とコンピューターデバイスをつなぐインターフェースを開発する企業ニューラリンク(Neuralink)の最新の進展状況を発表した。澎湃が伝えた。
北京時間の8月29日、同社はライブ配信を行い、同社のデバイスを移植された豚「ガートルード」をお披露目した。2ヶ月前にデバイスを移植され、現在の健康状態は良好だという。
マスク氏は、「ニューロリンクのデバイスは脳の活動を読み取ることができ、コインほどの大きさで、脳に持続的な損害を与えることはない。デバイスのバッテリー駆動時間は1日間、移植した人のスマートフォンと直接リンクする」と述べた。
マスク氏によると、「このデバイスは神経系のさまざまな問題の解決を手助けできる。たとえば記憶力の低下、脳卒中、依存症などの解決を手助けできる」という。
このデバイスは2019年に発表された脳に埋め込むインターフェースと異なり、最新モデルは完全にモバイル化され、ワイヤレス充電が採用されている。
マスク氏は、「このデバイスは最初に発売される時は非常に高額になるだろうが、いずれ数千ドル(1ドルは約105.3円)まで価格を下げたい」と述べた。
ライブ配信を見たスタンフォード大学の李金星博士研究員は、「ニューラリンクが豚の体でのデモンストレーションをリアルタイムでライブ配信したことは、技術の安定性という点で重大なブレークスルーを達成したこと、このデバイスがもはや単なる実験室でできたプロトタイプではないこと、人体に移植しての転化・応用に大きく一歩近づいたことを物語る」と述べた。
マスク氏はライブ配信の中で、「ニューラリンクの最終的なポテンシャルはほぼ無限大だ。たとえばテレパシーで自動運転中のテスラの自動車に呼びかけることができる。失明、麻痺や聴力の問題を解決できる」と述べた。
現在、このデバイスをつなげられるのは脳のみだ。またニューラリンクはまだ人体でのテストは行っていないという。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年8月29日