9月4日から9日にかけて、2020年中国国際サービス貿易交易会が北京で開催された。新型コロナウイルス感染症発生以来、中国でオフライン形式で初めて開催された重大な国際経済貿易イベントで、148ヶ国・地域の企業など1万8000社から10万人以上が出展・来場の登録を行った。人民網が伝えた。
今回のサービス貿易交易会について、人民網日本駐在記者は日本の著名な政治経済学者で元参議院議員、国際未来科学研究所代表、清華大学国家戦略研究院客員研究員の浜田和幸氏にインタビューした。浜田氏は、「中日両国が科学技術の成果を共有し、この機会を通じて新たなビジネス協力の場を築くことを期待する」と述べた。
中国のサービス産業市場の開放加速を期待
2020年サービス貿易交易会は、北京文化クリエイティブ産業博覧会、中国国際観光商品博覧会、北京国際金融博覧会、国際冬季運動(北京)博覧会など重要な展示会とコンテンツを統合し、総合展示エリア1ヶ所、業界別専門テーマ展示エリア8ヶ所、機能別サービスエリアを若干数という「1+8+N」新モデルを作り上げた。新型コロナの影響を減らすため、サービス貿易交易会ではオンライン形式での「クラウド会議」や「クラウド展示」、「クラウド商談」モデルも打ち出した。
浜田氏はこの点について、「世界的な感染症拡大という厳しい状況に直面し、各国が都市封鎖や外出自粛措置を講じているため、経済的な落ち込みや社会の分断化が深刻化している。そんな中、いち早く緊急事態を脱却し、安全対策を施した上で、大規模な国際的交易会の開催に至ったことは、『コロナに負けない』多国間のサービス貿易の流れを促進するものとして高く評価できる」と述べた。
また浜田氏は、習近平主席が開幕式で述べた挨拶について、「中国は主にデジタル経済の発展に主眼を置いており、世界各国の関心を集めた」と評価。さらに、「習近平主席は『中国市場の一層の開放と国際協調』を訴えるもので、世界に広がりつつある自国優先の保護主義に一石を投じると共に、デジタル経済を主眼に置いた北京・天津・河北自由貿易試験区構想を表明する機会ともなり、中国の近未来国家戦略に対する世界的な関心を高めるものとなった」との見方を示し、「これを機に、中国国内のサービス産業市場の開放が加速することを期待したい」とした。