中国日本商会は16日に北京で、「中国経済と日本企業2020年白書」を発表し、在中国の日系企業8678社が直面する問題とこれに関連した提案について分析と整理を行った。人民網が伝えた。
貿易:2019年は日本の対中輸入が相対的に増加
白書によると、2019年の日本の輸出入総額のうち、中国との貿易が21.3%を占めた。このうち対中輸出は19.1%を占め、割合は前年比0.4ポイント(p)低下し、対中輸入は23.5%を占め、同0.3p上昇した。
白書は、中国政府がここ数年他の国や地域との間で積極的に自由貿易協定(FTA)を調印してきたことを評価したと同時に、今後の中国が引き続き貿易自由化措置を取ることを望むとした。
投資:日系企業が中国市場の開発強化を開始
白書によると、日本貿易振興機構(ジェトロ)が19年8月から9月にかけて在中国日系企業を対象に行ったアンケート調査の結果、今後1-2年間の事業発展の方向性について、「拡大する」とした企業は43.2%、「現状維持」は50.6%だったという。
18年に比べ、日系企業の在中国事業拡大の意欲は5.5p低下したが、現状維持の割合は5.8p上昇した。また「縮小する」および「第三国(地域)に移転するか撤退する」とした企業の割合は0.3p低下して6.3%となり、これは過去5年間の最低でもある。うち「拡大する」とした企業に「拡大する予定の事業の種類」を選んでもらったところ、1位は「販売」で61.8%を占め、2位は「(高付加価値製品の)生産」で38.2%だった。
こうしたことからわかるのは、中国の製造と消費の高度化にともない、日系企業が中国市場の開発を強化し始め、高品質の商品、技術、経験を提供しようとしていることだ。
ビジネス環境の最適化が持続
ジェトロの調査結果からわかるのは、「ビジネス環境の変化への対応措置」という質問に対し、「生産拠点を移転する(すでに実施した場合と実施を計画している場合を含む)」とした日系企業の割合は9.2%、「サプライヤーの変更(すでに実施・実施を計画を含む)」の割合は9.9%で、いずれも1割に満たなかったことだ。
同商会の小川良典会長は、「人件費の上昇といった投資環境の変化、および中米貿易摩擦の不確実性を考慮すると、対中投資にはリスクがあると指摘する人は依然としているが、日系企業は中国が世界の数少ない巨大市場であると確信しており、今後は中国国内での販売を中心に行う企業や産業を主として、中国国内市場開拓の取り組みをさらに強化する流れが引き続き続くだろう」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年9月17日