「無邪気で可愛い」ペットの背後には、ペットを取り巻く経済の巨大な市場が控えている。「2019年中国ペット産業白書」によると、19年の中国都市部ペット(犬・猫)消費市場の規模は2千億元(1元は約15.4円)を突破し、全体の規模は2024億元に上り、前年同期比で18.5%増加した。この数字からも分かる通り、ペットを中心とした「ペット経済」が発展しつつある。業界関係者は、「ペットを飼う人たちの年代を見ると、80後(1980年代生まれ)と90後(1990年代生まれ)が中心で、ペット消費は低年齢化し、オンラインペット経済の成長を後押ししている。ペットの売買だけでなく、ペットフードや預かりサービス、衣類・アクセサリー、トリミング、フォト、医療、葬儀、保険など、細分化された新しいビジネスモデルが次々に登場し、しかも産業チェーンと緊密に結びついている」と指摘する。
たとえば次々に登場するペットに関するオンラインセミナーは、料金が1元から数千元とまちまちで、内容にはペットの日常の世話、トリミングのデザイン、医療・介護、ペットの習性の理解、ペット心理の学習、ペットの技能訓練などがある。多くのペットブロガーはオンラインでの知識共有を通じ、オフラインのペットトリミングサロンや動物病院、ペット預かりホテルなどのサービスをPRしている。またペットブロガーの中には、ペットをキャラクター化してビジネスにし、ぬいぐるみやストラップ、スマートフォンケースなどのグッズで稼ぐ人もいる。
華創証券の分析によると、ここ数年、中国国内の一線都市と二線都市では、ペットの役割はこれまでの「家の番」からどんどん遠ざかり、純粋に感情のふれあいを求める存在へと変わりつつあり、ペット市場は極めて大きな発展ポテンシャルを秘めている。現在、中国全土の世帯ペット保有率はわずか4.4%で、最も高い上海でも19.8%にとどまるの対して、米国では68%に達している。ペットに関する平均消費額をみると、中国は米国の3分の1、日本の5分の1しかない。今後5年間、中国ペット産業は年平均15%の増加率を維持することが見込まれている。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年9月21日