「無邪気で可愛い」ペットの背後には、ペットを取り巻く経済の巨大な市場が控えている。「2019年中国ペット産業白書」によると、19年の中国都市部ペット(犬・猫)消費市場の規模は2千億元(1元は約15.4円)を突破し、全体の規模は2024億元に上り、前年同期比で18.5%増加した。ペット経済が発展し、特にオンラインでのペット消費が異常なほどの勢いで発展し、ビジネスモデルも一層多様化したという。人民日報海外版が伝えた。
ショート動画共有アプリ「快手」のビッグデータ研究院がこのほど発表した「2020年快手ペットビジネスエコシステム報告」によると、「快手」のペット動画の1日あたり最多再生回数は7億回に達した。20年5月末現在、快手では5.4秒に1回ペットのライブ配信が行われ、平均配信時間は1時間に上り、1日の総配信時間は平均1万6千時間になるという。ペット動画の視聴者は1億人を超え、アクティブなペット動画配信者は7万5千人を数え、そのうち80後(1980年代生まれ)と90後(1990年代生まれ)が80%を占めるという。今年3月に淘宝(タオバオ)が発表した「淘宝経済暖報」でも、2月にタオバオで行われたペット関連のライブ配信は375%増加し、1日あたり100万人がタオバオのライブ配信でペットを見ていたことが明らかになった。
前出の「2019年中国ペット産業白書」によると、ペットフードがペット産業チェーンで重要な部分を占めている。19年にはペットの犬1匹あたりの平均消費額は6082元、猫1匹は4755元に達し、10.3%増加した。今やこうした消費のかなりの部分がオンラインに移行している。日常的なネット消費でも、ECが祝日などに打ち出す大々的な販売促進キャンペーンでも、ペットのために注文して商品を買い込むことが消費行動における新たな注目点になっている。
今年8月に行われた第23回アジアペット展で、阿里巴巴(アリババ)系列の資産投資プラットフォーム「アリママ」が同ペット展、天猫(Tmall)ペット産業部門と共同でペット経済のシリーズ報告書を発表した。それによると、過去1年間にはペット産業のオンライン売上高が300億元を超え、うち天猫とタオバオが70%以上を占め、天猫上のペット関連ブランドの数は増加率が60%を超えたという。
ペットフードのほか、ペットの健康、娯楽、おしゃれ、SNSに関連した消費ニーズも上昇中だ。ペットの「おでかけ」関連消費の検索状況をみると、車で持ち運びできるペット用テントが4倍に増加し、ペット用キャリーバッグは200%以上増加した。新型コロナウイルス感染症の発生以降はスマートペット飼育が盛んになり、自動猫用トイレは879%増加し、ペット用自動給水器も120%増加した。
ペット用デリバリーも爆発的に増加した。オンラインフードデリバリープラットフォーム「Eleme」が発表した「2020年ペット用デリバリー報告」によると、過去1年間にElemeのペット用デリバリー受注件数は135%増加し、1件あたりの平均注文金額は125元だった。現在、Elemeのペット関連商品・サービスは3千種類を超える。キャットフードやドッグフード、猫砂、缶詰、おやつなどの商品は売上高増加率がいずれも100%を超えたという。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年9月21日