クラック米国務次官の台湾地区訪問について、大陸側は繰り返し明確な態度を表明している。18日午前、中国国防部(国防省)の任国強報道官は、中国人民解放軍東部戦区が同日から台湾海峡付近で実戦的訓練を実施することを明らかにした。同日、台湾地区訪問の主役であるクラック氏は異例の控えめな姿勢を続け、台北で走馬灯のように台湾高官と会見した後、意外にも公式の発言を一言もしなかった。18日、安倍首相の弟である岸信夫防衛相が初めて台湾問題について見解を示し、「台湾は中華人民共和国の領土の不可分の一部だ」「防衛相としてこの立場を遵守し、適切に対処する」と述べた。環球時報が伝えた。
■メディアはクラック氏の発言を捕捉せず
民進党の公表した訪問日程によると、クラック氏は午前に台北マリオット・ホテルで沈栄津「行政院副院長」、王美花「経済相」らと台米の経済・貿易関係について話し合い、今後のハイレベル経済対話に向けた「事前の対話」を行った。昼には科学技術関係者を招き、半導体や情報通信技術のサプライチェーンについて話し合った。午後には「民主対話」を行い、米側はロバート・デストロ国務次官補(民主主義・人権・労働担当)、ケリー・クリー国際女性問題担当大使が出席し、台湾側は呉釗燮「外相」が出席した。夜には蔡英文官邸での晩餐会に出席し、インド太平洋地域の安全保障問題を話し合った。不思議なことに、クラック氏が台湾高官との会談で何を語ったのか、台湾メディアは18日夜までこの主役の発言を一言も報じていない。台湾「外務省」が18日夜に発表したプレスリリースによると、クラック氏は「民主台湾」を一貫して支持する米国の立場を伝え、台湾側は米政府及びクラック氏の台湾への力強い支持に衷心より感謝。台湾はインド太平洋地域における米国の緊密なパートナーであり、引き続き台米のグローバル・パートナーシップを深めていくとした。英BBCの18日付報道によると、蔡英文氏がクラック氏のために開催したのは非公開の晩餐会であり、公式の談話は発表されないと見られる。
■日本の新防衛相は台湾地区との防衛交流に慎重姿勢
18日午後、クラック氏との晩餐会に先立ち、蔡氏は代表団を率いて訪台した日本の森喜朗元首相と会談した。日本メディアによると、民進党が大きな期待を寄せ続けている「友好人士」であり安倍晋三前首相の弟である岸信夫氏も森氏と共に訪台するはずだったが、防衛相に就任したために取り止めた。18日の記者会見で、岸氏は台湾との防衛交流について問われた際、慎重な姿勢を示し「台湾は中華人民共和国の領土の不可分の一部だ」「防衛大臣としてこの立場を遵守し、適切に対処する」と述べた。一方で台湾地区は「基本的価値観を共有する非常に重要なパートナー、貴重な友人であり、日本と台湾は非政府間の実務関係を継続していく」とも表明した。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年9月21日