北京市は世界初のネット接続クラウド制御型のハイレベル自動運転模範エリアを建設する。これは先ごろ閉幕した、2020中関村フォーラムで発表された情報だ。人民日報が伝えた。
同模範エリアは北京経済技術開発区全域(60平方キロメートル)を中心に建設される。2022年までに「スマートな道路、スマートな車、リアルタイムのクラウド、信頼できるネットワーク、正確な地図」という5大システムの建設を完了する。かつネット接続クラウド制御型自動運転の技術・管理の重要サイクルを貫き、都市型技術試験プラットフォームを形成する。一連の応用シーンの商用化、一連の中間製品の普及を実現する。
国内外の自動運転企業は現在、主に単一車スマート技術路線を採用している。しかしこの路線はさまざまな影響により、短期間内にレベル4以上の自動運転の大規模運行を実現できない。中国は近年、ネット接続に基づく自動運転技術路線を掲げ、国際社会で徐々に広く認められるようになった。EUはネット接続型自動運転技術路線図を発表し、米ミシガン州は1本目となるネット接続自動運転回廊の建設を開始した。アウディなどの有名自動車メーカーが、V2X(Vehicle to X)の車・道路連動の関連機能を製品に搭載し始めている。このように業界内の共通認識が次第に形を成してきている。しかし、全体的に見ると、ネット接続に基づく自動運転の実現には、依然として多くの難題が残されている。
「北京市模範エリアのハイレベルには、2つの意義が含まれる。すなわちレベル4以上のハイレベル自動運転で、これはまたクラウド制御がネット接続型の高級段階であることを意味する。車とインターネットの深い融合を通じ、車と道路の連動を実現し、ネットワーク側の効果を発揮する。車側のコストを削減し、自動車製品の革新と産業のモデル転換を促進する」。北京経済技術開発区の関係責任者によると、模範エリアの建設は「小幅駆け足で更新しつつ改善」という手段を採用する。3−6ヶ月を更新の一つの期限とし、その後の建設方法及び内容の修正・改善を続け、車・道路・クラウド間の最良の配置関係を徐々に認識する。1.0段階(テスト環境の構築)、2.0段階(小規模展開)、3.0段階(大規模展開、シーン拡張)、4.0段階(普及とシーン最適化)という手順を踏み推進する。そして成熟モデルの形成後、徐々に北京市以外の地域に展開していく。
情報によると、北京市は現在1.0段階の建設を展開しており、10キロメートルの都市道路、10キロメートルの高速道路、1ヶ所のAVP駐車場によるスマート化インフラを展開している。自動運転タクシーや高速道路無人物流、高速チーム走行、自動駐車、スマート公共交通、無人小型バス、遠隔操縦、末端配送などの応用シーンを実現している。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年9月24日