しかし、茶の木の苗が寄贈されて、龍さん一家は転機を迎える。山の畑を全て茶葉合作社に貸すことで、年間3600元(1元は約15.6円)の収入を得ることができる。また、母親はまだ働けるため、普段は合作社でアルバイトをし、年間約8000元の収入を得ている。「少しある茶園も、株式に参入しているので、今年は必ず貧困を脱却できる」と龍さん。
普安県地瓜鎮屯上村の談化愛さん(45)は、茶園に足を運ぶのが大好きだ。今年3月、談さん一家は貧困を脱却した。普安県の約133ヘクタールの白茶は貧困世帯862世帯2577人をカバーし、1世帯当たり4659元の増収を得た。
2018年10月22日、貴州省黔西南布依(プイ)族苗族自治州普安県に、浙江省安吉県黄杜村が寄贈した「白葉一号」の苗が届いた。画像は、荒れた山に茶の木の苗を植える村民ら。劉朝富/人民図片
しかも、白茶をめぐるサクセスストーリーはこれで終わりではない。
3月12日、安吉元豊茶葉機械有限公司が寄贈した白茶の製茶設備31台の設置が完了した。沿河雲霧生態茶葉農民専業合作社の責任者・張勇さんによると、「これら設備を使うと、1日で350キロの乾燥茶を生産することができ、生産効率が大幅に向上しただけでなく、品質もいい。加工済みの茶葉は全て浙江省の茶葉企業に引き渡すため、販売ルートを心配する必要はない」という。
寄贈の協議書に調印する際、浙江省側は寄贈先の白茶の製茶や販売のルートを考慮していた。そして、黄杜村と浙江茶葉集団は事前にマッチングし、村で生産された全ての茶葉の販売を同集団が担当することにし、「携茶」という商標登録も済ませた。
持続可能な産業貧困支援ルートを模索し、貧困支援として安吉県で栽培されるようになった茶葉のけん引力が今強化されている。現時点で、普安県の白茶の新規栽培面積は約717ヘクタールに達し、白茶、紅茶、緑茶を融合させた発展の道を歩み始めている。沿河県の白茶の新規栽培面積は約335ヘクタールで、茶葉産業が現地の貧困脱却の難関を攻略するための主導産業になるよう、全力で取り組んでいる。
欧三任第一書記によると、翁草村は現在、山や川、田畑などの大自然、苗(ミャオ)族文化など各種資源を統合し、茶葉の旅と融合するための取り組みに力を入れている。「2019年の夏休み期間中、同村を訪れた観光客は延べ4000人で、人気が高まっている」としている。 (編集KN)
「人民網日本語版」2020年11月2日