オンライン形式で出席した元世界保健機関(WHO)事務局長のマーガレット・チャン氏(撮影・林伊人)。
第16回「北京-東京フォーラム」が11月30日から12月1日にかけて、初めてオンライン会議の形式で北京と東京で開催された。今回のフォーラムは「コロナ後に目指すべき世界秩序と中日両国の役割」をテーマとしている。 中国網が伝えた。
今回のフォーラムでは「新型コロナウイルス分科会」が設けられ、「中日両国やアジアのコロナ収束と経済再開をどう進めるか」に焦点を当てた。出席者は、感染症予防・抑制面で中日双方は交流と協力を強化する必要があるとの認識で一致した。
国家発展・改革委員会の蘇偉副秘書長は、中国の企業活動再開面での経験を紹介し、「いかにして感染症予防・抑制に長期的に対応し、経済社会発展を統一的に計画するかは重要な課題だ。中国側は経済社会発展面で日本を含む関係国と交流を経験し、相互に支援し合うことを望んでいる」と述べた。
前世界保健機関(WHO)事務局長の陳馮富珍(マーガレット・チャン)氏は、中国が感染症予防・抑制面で払った努力を高く評価し、「中日双方がこれまで通り多国間主義を支持し、共に国際的な問題に対応することを希望する」と述べた。またチャン氏は、「秋・冬季は呼吸器感染症の多発する季節。市民はできるだけ早くインフルエンザワクチンを接種し、安全なソーシャルディスタンスを保ち、こまめに手を洗い、マスクを着用する必要がある」と強調した。
中国科学院院士、中国疾病予防管理センター所長の高福氏は、中国の感染症予防・抑制面での成功経験を紹介した。高氏は各国に対し、末端から感染症を抑制することを提言し、この点は中国の感染症予防・抑制が成功したキーポイントでもあると指摘。さらに、「中国側は日本とデータ共有や技術交流面で協力を強化することを望んでいる」と述べた。
中国疾病予防管理センター疫病首席専門家の呉尊友氏は、「中国は『早期発見、早期報告、早期隔離、早期治療』を遵守した。また、伝染源を中心に疫学調査を行い、伝播経路を遮断。PCR検査はすでに中国の新型コロナウイルス感染症対応の基本事項となり、迅速に早期感染者を発見する上で役立っている。また、中国はすべての感染者に対し無償治療を行った。こうした諸々の措置は、中国が感染症を迅速に発見し、迅速に抑制するために最も重要な要因となった」と述べた。
厚生労働省危機管理・医務技術総括審議官の佐原康之氏は、「日本はWHOなどが立ち上げた新型コロナウイルスワクチンの公平供給をめざす国際枠組み『COVAX(コバックス)ファシリティー』に参加しており、発展途上国でワクチンを接種できるようサポートしている」と述べた。また、東京都立大学の詫摩佳代教授は、「日中双方が感染症予防・抑制面の協力を強化することを希望する」とした。言論NPO代表の工藤泰志氏は、「中国が取った感染症予防・抑制措置は日本側にとって新たな示唆となった」と述べた。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年12月1日