北京市人的資源・社会保障局がこのほど発表した「2020年北京市人的資源市場賃金ビッグデータ報告」によると、中国大陸部の一線都市(北京、上海、広州、深セン)の中では、北京の企業が平均賃金が16万6800元(年収ベース、以下同。1元は約15.8円)に達してトップになったという。中国新聞網が30日に伝えた。
この北京市の企業の賃金に関する調査報告では、オンラインにオフラインを加えた形で調査を行った。そのうちオフラインのデータは北京エリアのサンプル調査企業4259社と、そこで働く人72万6千人から収集し、オンラインのデータは20年に北京で求人を行った企業9万社と、北京に居住する求職者470万人及び就職活動中の大学卒業生29万人から収集した。
北京の企業が賃金レベルで一線都市のトップに
賃金は人材を誘致する重要な要因であり、賃金水準の高さは北京が相対的な競争力を維持する上での重要な支えだ。
各都市の統計当局が発表した19年の都市部非民間企業の雇用者平均賃金データによると、一線都市の中では、北京の企業が16万6800元に達してトップだった。
オフライン調査での賃金の中央値をみると、19年の産業別賃金ランキング上位3位には、金融業(26万9400元)、電力・熱・ガス・水生産・供給業(12万6700元)、情報伝送・ソフトウエア・情報技術(IT)サービス業(11万5800元)が並んだ。文化・スポーツ・娯楽業は中央値の増加率が最も高く、19年は6位に躍進した(10万6100元)。
「北京のスマート製造」産業の高い賃金増加率
「北京のスマート製造」産業は首都がイノベーション駆動戦略を実施する上での重要な足掛かりとなる。オンライン賃金調査データからわかるのは、他の産業と比べ、「北京のスマート製造」産業は賃金増加率が全体として高いことだ。新材料、次世代情報技術の2つの産業をみると、19年の賃金増加率は41.48%と41.26%で、他の産業分類の同期の増加率を上回った。
横方向の比較では、人工知能(AI)、集積回路、ソフトウエア・情報サービス産業が賃金の中央値のトップ3で、ここから北京が全国の科学技術イノベーションの中心として、賃金の競争力を通じてイノベーション力を駆動し、全国に先駆けて技術面の「ボトルネック」を打破してトップを走っていることがわかる。
科学研究者の平均賃金は20.4万元
科学研究者と技術者は「北京のスマート製造」ブランドを構築し、「北京のサービス」の競争力を向上させる中心層の一つだ。
オンラインで企業が発表した賃金をみると、北京の科学研究者の平均賃金は20万4千元で、18年に比べて9.9%増加した。技術者は14万4千元で同6.4%増加した。
北京市が先に発表した「北京市に居住する世帯の1人あたり平均可処分所得の中央値が4万元から12万元までの層を中間所得層とする」との基準に基づくと、北京市の科学研究員と技術者の平均賃金は中所得層の水準に達している。またこの2職種の賃金増加率は、経済成長率を超えた(19年の北京市全体の国内総生産<GDP>成長率は6.1%)。
賃金調査データからわかるのは、北京市ではサービス業、金融業などの産業の賃金が明らかな高い競争力を備えていることだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年12月31日