中国は目下、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の発効に向けた動きを加速的に推進している。3日に行われた国務院常務会議では、中国は協定にまつわる法的拘束力のある義務701件のうち、85%について発効に向けた準備を完了しており、今後どのようにチャンスをつかまえ、挑戦に対処するかについても検討を進めていることが指摘された。新華社が伝えた。
同会議の内容に基づくと、現在、関係当局が協定の早期発効に向けた中国国内での関連の準備作業を加速させている。協定の法的精査、物品貿易の関税譲許表転換プランの制定が完了し、原産地規則の累積ルールの実施技術の準備も実質的な進展を遂げ、協定にまつわる法的拘束力のある義務701件のうち、85%について発効に向けた準備を完了したという。
世界の人口の約3分の1をカバーするRCEPは、2020年11月15日に調印され、これにより世界最大の自由貿易区が誕生することになった。現在、関係方面は発効に向けて積極的な態度を取り、ASEAN6ヶ国とASEAN以外の3ヶ国で承認されれば、先行的に発効することになる。中国商務部(省)は年内の発効を見込むとしている。
同会議では、RCEPの発効を推進することは、開放を拡大して改革を促進する上での重要な措置であるとの見方が示された。同部副部長兼国際貿易交渉副代表の王受文氏は、「RCEPが発効すれば、中国の貿易の3分の1で関税ゼロが実現し、それに応じてサービスと投資の開放が進み、貿易円滑化とビジネス環境の向上が促進されるとともに、中国が新たな発展構造を構築する上で重要な意義をもつ」と述べた。
同会議の精神に基づき、今後は原産地規則の累積ルールについて、中国国内の関係管理制度の改革を早急に推進し、方向性をもって関連する技術的準備を着実に行い、協定が発効すれば、ただちに実施されるよう確保する必要がある。同時に、製造業の拡大とサービス業の開放をめぐり、標準の向上やルールの改善など関連する準備を着実に行うことも必要だ。このほか、協定の実施に向けたトレーニングを強化し、特に小規模・零細企業を中心とした企業に対して、協定・ルールの内容を熟知し、モデル転換・高度化が早急に必要であるとの意識を強化し、国際協力と国際競争に参加するための能力を高めるよう支援することが必要だ。
同部はこれまでRCEPオンラインテーマ研修会を特別に開催し、物品貿易、原産地規則、税関プロセス、貿易円滑化などの内容について体系的な理解を深めてきた。王氏は、「RCEPはチャンスであり、そこには挑戦もある。輸入関税が下がれば、輸入商品の価格的優位性が明らかになり、関係業界は十分に心の準備をしておかなければならないし、競争の中で発展し強くなろうとする気構えも必要だ。同時に、各級政府も協定における反ダンピングや反補助金などの貿易救済手段を上手に運用して、中国の産業安全をしっかり守らなければならない」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年2月5日