レッドソックスの松坂大輔投手(26)がマーリンズ戦先発から一夜明けた7日(日本時間8日)、注目の“ジャイロボール”の存在を初めて認めた。自ら制御不能であることを明かした上で、カットボールが抜けた際にジャイロボールに似た回転をする球を指した。米メディアでも騒がれている“魔球論争”は今回の松坂の発言で、沈静化するか、それともさらに拍車がかかるのか。
衝撃の告白だった。マ軍戦登板後に再び起こった“魔球論争”。松坂は「ジャイロボールはある」と言い切った。
「カットボールがシュート回転したもの。抜けた感じの時に偶然できた球で、すごくホップして伸びる感じでした」。その正体は西武時代に偶然生まれた“抜け球”だった。さらに「細川さんも何球か受けていると思う。その球は今まで打たれたことはありません」と続けた。
証言(西武・細川) ジャイロ?それはカットボールのことでしょ。時折スパイラル系の回転をするカットボールがありました。抜け気味になった時に限った話じゃない。縦に落ちたり、横に曲がったり。
「投げようと思って投げられる球じゃない」。制御不能であることは、松坂自身が一番よく知っている。そのうえで今回対戦したマ軍・ストークスが「ジャイロボール」と語った球については「スライダー」、ニュースでジャイロボールとして流れる映像には「あれはカットボール」ときっぱり否定してみせた。
とはいえ“魔球”への関心は高まるばかり。この日も米メディアが日本の報道陣に「彼は本当にジャイロを投げるのか」と取材する場面も見られた。松坂自身は過熱する騒動に「相手に意識してもらうことは良いことだと思いますから」。否定はせず、その存在をちらつかせることで周囲を幻惑する狙いもある。
次回登板の11日、オリオールズ戦で“魔球”は飛び出すのか。現時点で制御不能とはいえ「ジャイロはジャイロで投げ方はちゃんとあると思う」と言った。将来的には…。魔球を操ることができると、松坂は真剣に考えている。
【レッドソックス9-5メッツ】≪岡島 メジャー初被弾≫レッドソックスの岡島が、メッツ戦でメジャー初被弾。5-2の7回2死二、三塁で4番手として登板も、メジャー16年目のイーズリーにカウント2-1からの75マイル(約121キロ)カーブを左翼席へ運ばれた。失点も3試合目で初。「その前のカーブがワンバウンドして、気持ちの中で少し高めに投げようと思ったら抜けた」と唇をかみしめた。当初は8回から登板予定も、3番手ドネリーの乱調で出番が早まった。とはいえ「絶対に本塁打されてはいけない場面」での被弾にファレル投手コーチから「一塁が空いていたし、低めに慎重に投げるべき」と苦言を呈された。次回は10日のタイガース戦。「きょうはしんみりさせてしまった。次は抑える」と気持ちを入れ替えていた。
スポーツニッポン 2007年3月9日