ポスティング・システム(入札制度)で大リーグ移籍を目指す西武・松坂大輔投手(25)が27日、埼玉・所沢市の球団事務所で移籍を要求したが、球団側は認めない方針を伝えた。それに対し、松坂は今後も粘り強く交渉を継続していきたい意向を表明。FA権取得は早くて3年後の08年だけに、今オフの大リーグ移籍を断念するかは不透明な状況だ。
黒岩彰球団代表と約1時間の話し合いを終えた松坂は意外なほどサバサバしていた。
「ポスティングで行かせるのは難しいと言われましたが、最初からそう言われるとは思っていました。でも何年もかけて準備をしてきて、僕の中では今それが整ったという思いがすごく強い」。そして「粘り強く説得していくのか?」という質問には「そうですね。今は1年でも早く行くことしか考えていない」と言い切った。
松坂は昨年の契約更改交渉で初めて大リーグ移籍を直訴。球団側は昨年2月の堤前オーナーの発言もあり、成績次第で容認する考えを示していた。その今季は14勝13敗も、防御率2・30、15完投、226奪三振はいずれも自己最高だった。
ところが来季以降の球団継続保有を決めたグループトップの西武鉄道・後藤高志社長が移籍に難色を示すなど環境は変化。黒岩球団代表も「来年はライオンズ改革元年。今年の成績は個人的には十分だと思うが彼の力は必要。この状況でうんとは言えない」とした。
とはいえ、松坂がFA権を取得するのは早くて08年オフ。入団以来の夢を、自分の意思だけで実現させるには3シーズンが必要だ。全盛期のうちに、移籍したいという希望があるのは想像に難くない。シーズン中も松井稼(メッツ)と連絡を取り合うなどして、大リーグの情報収集に努めているのは事実だ。次回交渉は週明けの予定。「自分の中で(交渉の)期限の区切りはつけたい」とも話したが、松坂の今後の対応にも注目が集まる。
≪巨人の後藤光を金銭トレードで獲得≫西武は、巨人から戦力外通告を受けた後藤光貴投手(31)を金銭トレードで獲得したと27日、発表した。後藤光は今季開幕直前、河原とのトレードで巨人へ移籍したが、西武では03年に10勝をマークするなど6年間で23勝を挙げていた。巨人では今季5試合で0勝2敗だった“出戻り右腕”の獲得に黒岩球団代表は「チーム事情でトレードになったけど、まだまだ戦力」と話した。