男子ゴルフの三井住友VISA太平洋マスターズ(静岡・太平洋クラブ御殿場=7246ヤード、パー72、賞金総額1億5000万円、優勝3000万円)第3日の12日、7バーディー(ノーボギー)を奪った前年優勝のD・クラーク(英国)が、4バーディー2ボギーの加瀬秀樹をとらえ、通算14アンダーで首位に並んだ。3打差で立山光広が追い、さらに2打差でD・チャンド(フィジー)、S・コンラン(豪州)が続く。尾崎将司は通算2オーバー55位に低迷し、先週の日本シニアオープン・チャンピオン、中嶋常幸は背筋痛のため、8番ホール終了後、棄権した。
◇あとはパットの勝負…加瀬
前夜の降雨が加瀬の判断を誤らせた。転がりの速いグリーンが湿って重くなり、スピードが遅くなると思った。「微々たるものかな」と読んではいたが、それ以上に体が反応してしまった。まず2番ホールで、最初のパットを強めに打って2.5メートルほどピンをオーバー、5番では、逆にピンまで1.5メートルほどショートし、それぞれ3パットのボギー。単独首位から、逃げる立場にあったが、出だしからつまずいてしまった。
中盤から4バーディーを決め、なんとか盛り返したが、クラークにつかまった。今大会から続く高額賞金3トーナメント。昨年は、すべてタイガー・ウッズら外国選手に優勝をさらわれた。「みんな彼らに対抗したいと思っている。相手が誰であろうと、自分も勝ちたいし」。ボールを運ぶ場所など、コースマネージメントをしっかりやり、あとはパットの勝負。並走から抜け出す自分を、加瀬は思い描いている。
○…ショット、パットに苦しんだ前日とは、別人のようなクラークのプレーだった。ティーショットがフェアウェーを外したのは、わずか2回。パーオン率は、100%のパーフェクト。何がよかったのかと聞かれて「エブリシング」、ニヤリとしたのもうなずけよう。
昨年の優勝で、コース攻略に自信を持つ。最終日の目標を聞かれ、「勝てるようなスコアであれば」と、余裕のせりふで締めた。