憂楽帳:親イラク家——贯通日本资讯频道
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憂楽帳:親イラク家

 いつも、資料の詰まったバッグを肩から提げ、飄々(ひょうひょう)とした姿で歩いていた。

 アラブ問題研究家の阿部政雄さんがこの夏、亡くなった。20年間、非常勤のスタッフとして働いた在日イラク大使館を退職したばかりだった。享年77。

 03年のイラク戦争開戦を前に知り合った。イラクには公用・私用合わせて15回訪れ、親日家の多いイラクの姿を、自らの著書やホームページでつづり続けた。東海大講師としても長く、「中東地域研究」を学生に教えていた。

 米・英によるイラク攻撃が確実視されるころ、「通訳をするから、イラク人の生の声を聞いてくれ」と、大使館の領事を紹介してくれた。さらに反体制の在日イラク人にも引き合わせてくれた。

 「戦争は早期に終わるかもしれないが、イラク人の抵抗は続き、泥沼化します」「自衛隊の派遣で、日本を嫌いになるイラク人が増えるのが、何より悲しいことです」。講演会の場で、とつとつと聴衆に語りかけていた姿が浮かぶ。

 日本は今、自衛隊撤退の時期を探っている。どんな思いでこの状況を見つめているのだろうか。【宮澤勲】

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