【ベルリン斎藤義彦】サッカー・ワールドカップ(W杯)の準決勝、ドイツ-イタリア戦を前日に控えたドイツ各地では3日、ドイツのサポーターがパブリックビューイング(PV)や歩行者天国「ファンフェスト」に殺到することを予想。会場の拡張作業が急ピッチで行われた。また国内の自動車工場は同日、試合時間中に操業を停止することを決めた。
ベルリンのブランデンブルク門前の目抜き通りを中心にしたファンフェストは、敷地を周辺の森まで大幅に拡大。大画面を2カ所増やして5カ所にし、従来延べ75万人が入場できたのを90万人分に広げた。2日に自動車が突っ込む事故も起きたが、試合の数時間前に入場を中止、警備を強化して開催する意向だ。
試合が行われるドルトムントは20万人のファンが訪れると予想。PVも2万5000人分増やして7万人に対応できるよう拡大した。
ケルンでも市内で30万人の人出を予想している。北西部の工業地帯には50万人以上のイタリア系移民が住んでおり、両国ファンで盛り上がりそうだ。ドイツ鉄道は全国で約100本を増発。ファンの波をさばく。
独南部ジンデルフィンゲンのダイムラー・クライスラーの工場は、夜勤を試合終了後の5日午前2時半から開始することを決定。穴は月末に埋めることにした。また、北部ボルフスブルクのフォルクスワーゲンの工場も「1万人の『犠牲者』に配慮」して試合時間中は操業を中止。後日フレックスタイムの活用で規定労働時間に達すればよいとの方針を決めた。
毎日新聞 2006年7月4日 10時13分 (最終更新時間 7月4日 10時20分)