【カイロ高橋宗男】レバノン政府は12日夜、イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラとイスラエル軍の停戦を求めた国連安全保障理事会決議の受諾を決定した。しかし、ヒズボラの武装解除を巡る不協和音から、13日に予定していた決議の履行に関する協議を開くことが出来ず、協議を無期限延期した。このためレバノン国軍の南部展開が遅れる可能性も出ており、イスラエル軍の撤退時期にも影響を与えそうだ。
ロイター通信によると、協議延期の理由は「ヒズボラが武装解除についての協議に異論を差し挟んでいる」(政府筋)ためで、停戦が実現した後の最大の課題である武装解除問題の困難さが改めて浮き彫りになった。
イスラエル軍は、レバノン国軍を支援する国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が増強されるまでレバノン南部駐留を継続する方針。このため14日の決議の発効後も、ヒズボラがイスラエル軍を引き続き「占領軍」とみなす可能性があり、一触即発の状況が続く危険性をはらんでいる。
毎日新聞 2006年8月14日