麻生太郎外相は28日夜、北海道根室市の漁船銃撃・拿捕(だほ)事件後初めてロシアのラブロフ外相と電話で協議し、「事件が日露関係全般に悪影響を及ぼしてはならない」と北方領土・国後島に拘束された乗組員3人の早期解放を求めた。ラブロフ外相は事件に対する遺憾の意とともに死亡した乗組員と遺族への哀悼の意を表明、「船長と2人の乗組員の間では事件への関与に差がある」と述べ、2人が早期に釈放されるとの見通しを示した。
麻生外相はまた、事件の再発を防止するため北方領土問題を解決する必要性を強調。ラブロフ外相は「領土問題と事件を関連づけることは適当ではない」とけん制した。【大貫智子】
毎日新聞 2006年8月29日