上海万博PRソングの盗作の疑いが指摘される中で、アジア最大の自動車の祭典が北京で開かれます。今年も海外メーカーのデザインをまねた中国車が展示されていました。
岡本真夜さんの曲を盗作したと指摘された上海万博PRソング。作曲家が22日、騒動の後、初めて声明を出して、反論しました。
「岡本さんの曲と大きく違う。下心のある者が似通った曲を持ち出してもめ事を作りあげた」(作曲家の声明)
盗作の疑いを指摘されたものが、もう1つありました。万博の目玉、中国館。その建物のデザインが、1992年のスペイン・セビリア万博の日本館に似ているといいます。
次々と浮上する盗作疑惑。そんな中、北京でアジア最大の自動車ショーが開かれました。
過去、海外メーカーのデザインをまねていると指摘され続けてきた中国の自動車メーカー。果たして、今年は・・・。
中国自動車メーカー大手のブースでもこうしたドイツ車によく似た車が展示されています。やはりドイツの高級車、ベンツによく似た車が見つかりました。
そして、こちらは中国の自動車メーカーが製造している2人乗りの小型車。ドイツ製の「スマート」にそっくりです。担当者に疑問をぶつけると・・・。
「スマートは価格が高いし、エンジンは前についていますが、我々のは後ろについています。大きな差があります」(双環自動車メディア担当 劉瑞氏)
さらに会場を歩くと、トヨタ・カローラにうり二つの車が・・・。実は中国の自動車メーカーが製造しているものでした。
「外観は全部カローラそのものです。私どもが作ってる部品も中にはあるけど、腹立たしい」(自動車部品メーカー・川原 充さん)
一方で専門家は、デザインを模倣している中国車は、全体の1割だといいます。
「生き残ろうとするならば、自ら作り出す体制を整えなければならない」(野村総研 北京支社 梅松林氏)
去年、新車販売台数でアメリカを抜き、世界最大の自動車市場となった中国。今年1月から3月の自動車販売数が前年より7割以上も増えるなど、中国は今や、唯一の成長地域です。
自動車メーカー各社の熱い視線が集まる中、ショーには2100社が参加。990台が出展されました。
海外の主要メーカーが参加を見送った去年の東京モーターショーとの数の差は歴然です。日本や欧米の自動車メーカーの社長らも現地入り。
「中国の市場は世界最大の市場になりまして、我々としては大きなチャンス」(中国トヨタ・加藤雅大 社長)
27日から一般公開される北京国際モーターショー。80万人とも言われる入場者に、メーカーは熱い視線を送っています。(23日18:14)